一方通行逆送事件
ピザ屋さんが使う地図は、通常の地図とは違い、マンションやビルなどの建物名称や、一軒一軒、一戸一戸の居住者名(世帯主名)が詳しく書かれた住宅地図を利用しています。(Googleマップなどでは居住者名までは載ってないでしょ?)
この地図は、バス停、信号機、交差点名、一方通行などの道路交通情報も記載されていて、配達業務には必須の便利な地図なのですが、かなり詳しく書いてあるだけあって、お値段が高いのです。
配達エリア内の地図を揃えるだけでも数万円します。
一人一冊用意したり、エリア内の地図を持ち歩くのもかさばるため、ピザ屋さんのデリバリースタッフは、お店のカベに貼ってある大きな地図を見て、暗記して配達に行きます。
バイクで数十分以内のエリアなので、最初は覚えるのが大変ですが、何度も配達に行ってる間にエリア内の道を覚えてしまうので、実はこの方法で問題なかったりします。
(最近では、スマートフォンを持っているスタッフも多いため、スマホでマップが見れて便利になりましたけどね。)
さて、その地図には民家の駐車場のような細かい道まで詳しく書かれていますが、地図を見ただけでは車道か歩道かの区別がつかない場合があります。
そんな微妙な太さで道が書かれていたりするだけでなく、地図を見ただけで舗装道路か砂利道なのかは分かりません。
そのため、「ここの信号から5個目を左折」のように道を覚えていくと、細い道や獣道、田んぼ道や砂利道などを見逃してしまうカウントミスが起きることがあります・・・。
しかもお店の地図はちょっと古いため、新しく道ができていたり、道がなくなっていたりします。
(地図が高いのでなかなか最新版に更新してくれません・・・。)
で、今回も迷ってしまいました・・・ピザ屋が迷子。
「目印の信号から3個目を左折!」と覚えて配達先に向かったのですが、実際に信号から3個目を曲がっても地図で見た場所とは違う場所に出てきてしまいます・・・。
3回くらい戻って確認しましたが、やはり違う場所に。
こういう時は、さまよっているとピザが冷めてしまうため、お店へ電話をします。
- ピザ屋@ume
- 「すみません、バイトのumeですが道が分からなくなってしまいまして・・・。」
電話に出たスタッフは配達やメイキングをしなくてはいけなくて忙しいため、電話は店長に代わり、店長がお店の地図を見ながら道案内をしてくれます。
- 店長
- 「で、いまどこにいるの?」
- ピザ屋@ume
- 「タヌキチ美容院のY字に分岐するところです。」
- 店長
- 「あぁー、かなり行きすぎだねぇ~。
もっと手前なんだけど、曲がるとこ違うんじゃないか?」
- ピザ屋@ume
- 「あれ?すみません、信号から3つ目を曲がったんですが。」
- 店長
- 「んー、地図だと確かに3個目だな。
でも3個目を曲がっても、地図だとタヌキチ美容院には行かないぞ。
道が増えたのかな?」
- ピザ屋@ume
- 「えぇ!増えたなんて聞いてないですよ~!(>_<)
どうやって行けばいいでしょうか?」
と、電話しながらも、もっと手前ということなので道を戻りました。
※運転中の携帯電話の使用が禁止されていなかった当時の話です。現在は、運転中の携帯電話の使用は法律で禁止されています!マネしないでくださいね。
- 店長
- 「とりあえず、そこ一方通行だろ?
まっすぐ行くと4丁目に抜けれるから、そこからさっきの信号まで戻ってきて。」
(゚ロ゚;) えっっ!?
うっかり進入禁止の標識を見落としてしまい、一方通行を逆走してしまったようです。
- ピザ屋@ume
- 「・・・あ、もうその信号にいるんですが・・・。」
- 店長
- 「は?! 一方通行を逆送したのか?!」
しまった!うっかり逆走したことがバレてしまった!
しかも店長に!!
しかし、時すでに遅し・・・。
- 店長
- 「ばかやろう!!!!
交通ルールは守れ!!標識が見えんのか!」
と、電話の向こうでかなりこっぴどく怒られたことは言うまでもありません・・・。
さらに、無事に配達を終えて店に戻ると、地図をみながら「ココで曲がっちゃったのか?それで、ここの道を逆送したのか?」と、地図上で現場検証がはじまり、さらに厳しくお説教されました・・・。
いくら緊急事態で焦っていても、道路標識は見落とさないように気を付けましょう。(逆走はもちろん、通話しながらの運転もダメ!)