分割配送
ピザ屋さんは、ご注文を頂くと、まずお客様の電話番号をお伺いします。
その電話番号をコンピューターに入力すると、自動的にお名前とご住所、過去の注文商品や履歴、顧客情報の備考欄などがPOS端末に表示されます。(番号を通知して電話をかけてくれた場合は、自動で表示されます。)
★顧客情報の備考欄とは?
スタッフ間でお客様の情報を共有するためのメモ欄です。
必ず領収書がいるお客様は「領収書必須、宛名:マルマル商店」、いつもインターホン押しても出てこないお客様は「インターホン故障」、入口が2つあるお客様は「右のトビラから入る」、美人のお客様なら「ビジン」、頑固でいちゃもんつけてくる親父なら「ガンコジジイ」、外国人なら「ガイジンサーン」、いつもバジルのピザばかり頼む常連さんは「バジル」、ちょっとでも遅いとクレームの電話をするせっかちなお客様は「時間厳守!」など、目印や特徴・要チェックな申し送り事項などがいろいろ書かれています。(一部スタッフの悪ふざけメモもあり・・・。)
そして、お伺いいした注文もすべてコンピューターに入力し、ピザ1枚に対して1枚の伝票が発行されます。
宅配便などと同じように、2枚口・3枚口と、各ピザに注文者データや商品データの印刷された伝票が発行されます。
カートンと呼ばれるピザを入れる箱は、マクド○ルドのようにハンバーガーごとに色が違ったりせず、全てのピザで共通のカートンを使用します。
なので、ふたを閉めると中身が分からなくなるので、各ピザごとにピザ名の書かれた伝票をカートンに貼りつけます。
伝票の下のほうに1枚口なら 1/1
3枚口なら3/3、2/3、1/3と、それぞれ全部で何枚中の何枚目かわかるようにページ数が印刷されています。
2枚口なのにピザ1枚しか持ってきてない!というミスをしないように、自分の配達先の伝票が何枚口かを確認するのはマニュアルでも決められているわけですが、今回バイトのKさんがとんでもないミスを犯しました・・・。
自分が配達から戻り、次の配達へ行こうと未配の伝票をとりました。
下を見ると2/2となっており、どうやら2枚口のようです。
ピーク時だったので、伝票が数十枚ほどテーブルにずらっと配置されています。
そのなかから、自分の伝票の残り「1/2」を探すわけですが、
・・・どこにもない。
オーブンや棚の下、冷蔵庫の下などに落ちてないか店中探しましたが、どこにもありません。
注文の入った順番どおりにピザを作れば、すぐ隣に続きの伝票があるのですが、ピーク時などの注文が殺到した時は、メイキングの子が分担してピザを効率よく作れるように、注文の順番を多少前後して同じソースや同じ生地の種類ごとに固まって、バラバラに散っていたりします。
生地のタイプや使用する食材・作り方などによって、効率よく作るために多少順番を前後せざるをえないのです。
なので、1枚はココにあっても、残りは離れたところで違う人が作っていたりします。
で、コンピューターで受注履歴の確認をするのですが、確かにもう1枚伝票があるはずなのです。
でも、・・・ない。
メイクさんに、このピザを作ったかどうか聞くと、メイクの1人がついさっき確かに作ったそうな。
でも、オーブンにも保温バッグの中にもないんです。
しかも、伝票と一緒にピザもない!!
と、そのとき電話がなり、電話に出るとバイトのKさんでした。
- ピザ屋@Kさん
- 「あのぉ~、いま○○町に配達に来たんですけどぉ・・・」
まさか!!
- ピザ屋@Kさん
- 「お店にピザを1枚忘れてきちゃったみたいなんですぅ~」
ありゃ、やっぱり。
自分もたまにやるミスなので、電話ですぐ気が付きました。(笑)
二枚のピザを持っていくべきところを、うっかり一枚だけ先にお届けしてしまったようです。
で、自分が残りもう一枚のピザを急いでお届けに行ってきました。
お客様は、とくに怒ってはなかったのですが、逆に、
- お客様
- 「お宅は焼き上がるたびに、できたてを1枚づつ運んでくれるなんて、フランス料理屋みたいなキメ細かくて良いサービスしとるねぇ~!あははははー」
なんて言ってます。(笑)
いやいやいや、そんな手間と人件費のかかるサービスは今回だけです・・・。(´∀`;)