ピストン輸送 その2
当店の伝票は、ピザ1枚に対して1枚づつ発行されます。
なので、1件のお宅から2枚のピザを注文された場合は、伝票が2枚発行されます。
ピザは1枚ずつ作られるので、連続でつながって出てきた伝票もそれぞれ切り離されて、ピザを作っているメイクさんに渡されます。
例えば、今回注文されたピザを「XXXピザのSサイズ」と「YYYピザのLサイズ」とします。
この2つのピザを、それぞれメイクAさんとメイクBさんが同時進行で作るとします。
Aさんの作るピザはSサイズなので、Bさんの作っているLサイズのピザよりも小さいため、早くトッピングが終わり、Bさんよりも先にオーブンに入れられます。
その後、BさんもLサイズのピザを仕上げて、オーブンに入れます。
この間に、メイクCさんが別の配達のピザを作ってオーブンにいれたとします。
ベルトコンベアー式の業務用オーブンから出てくるピザは、Aさんの作ったSサイズのピザ→Cさんのピザ→BさんのLサイズのピザという順番で焼きあがって出てくることになります。
オーブンの出口には、オーブンの中に入っているピザの伝票を置くスペースがあります。
基本的に伝票は、ピザを入れた順番に左から並べて置かれます。
なので、今回の場合はA・C・Bという順番で伝票が置かれています。
配達から帰ってきたデリバリーは、このオーブンにある伝票を左から順番に取って配達に行きます。(オーブンに伝票がない場合は、メイクさんがいま作っているピザの伝票をもらいます。)
で、このとき配達から帰ってきたumeは、なんのためらいもなく一番最初に焼きあがる(はずである)一番左の伝票を1枚とって、住所を調べに壁の巨大な地図へ向かいます。
すぐに配達先のお宅を見つけ、保温バッグに伝票を入れて配達に行く準備をします。
そうこうしているうちに、あっという間にピザは焼きあがりオーブンから出てきました。
自分でカートンに入れて、カットしてパセリをかけます。
そして、しっかりとふたをして保温バッグへ。
- ピザ屋@ume
- 「安全運転で行って来ま~す!」
と店を出て配達に向かいました。
配達先はマンションの4階。
エレベーターに乗り、4階につくまでのあいだ伝票を確認します。
- ピザ屋@ume
- 「ふ~ん、XピザのSかぁ。」
「えっと、今回の料金は・・・」
え゙っ?!
4800円?!
サイドメニューなしで、Sサイズのピザがなんでこんなに高いの?!
ふと、伝票の右下を見ると・・・・
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Σ(゚д゚lll) ガーン
今回の伝票、2枚口だったのね~(;´Д`)
ピザ1枚、店に忘れてしまった!
・・・まいっか。
しょうがねー、しょうがねー。
うん、しょうがないさ。
謝ればお客様もSピザ1枚で許してくれるだろう。
よくあるよくある。
こんな小さなこと気にすんな。
・・・なんてわけありません。一大事です!
お客様に事情を説明して、ピザを1枚店に忘れたことを謝り、すぐに別のデリバリーがこちらへ向かっていることを告げます。
優しいお客様で良かったです。(ToT)
先にお会計をさせていただいて、クーポンを大量に渡しておきました。(笑)
お店では、umeが出発した直後に忘れ物に気がついたらしく、ちょうど自分が帰るころには別のデリバリーの子が忘れ物を持ってきてくれました。ほんと申しわけないっす。(;´∀`)