ピザ屋さん-アツアツのおいしさと笑顔の裏側
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どうしたらそうなる

とある日のこと。
その一本の電話は鳴りました。

プルルルルル

ピザ屋@ume
はい、お電話ありがとうございます。ピザーヤです。

優しそうな声でゆっくり話す、ご年配のお客様からお電話です。

お孫さんと一緒にピザでも食べるのでしょうか?

年配のお客様
「もしもしピザ屋さんですか?」
ピザ屋@ume
「はい、そうです。」
年配のお客様
「ピザをお願いしたいんですが、いいですかね?」
ピザ屋@ume
「はい、お伺いします!
最初にお客様の電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

と、まずはいつもどおり電話番号とお届け先のご住所、お名前をお伺いします。

その後、ご注文へ。

ピザ屋@ume
「では、ご注文をお伺いします。」
年配のお客様
デリシャスコーンていうピザを1枚と、スペシャルよんっていうピザを1枚くださいな。」

・・・。なんだか嫌な予感がします。

お客様が注文した2枚のピザは、うちのお店にはありません。

でも、なんだか聞いたことのある感じの名前・・・。
似たような名前の商品ならあるのです。

ピザ屋@ume
デリシャスコーンではなくて、ゴールデーンコーンでしょうか?」
年配のお客様
「えっ???」
ピザ屋@ume
「コーンがたくさんのってるピザですよね?」
年配のお客様
「えぇ、そうよ。それでいいわ。」

なんだか話がうまく噛み合ってないような感覚がありましたが、コーンがのってるピザをご希望のようなので、とりあえずこのピザを1枚、端末に入力します。

あと1枚は、スペシャルよんとか言ってたな。

このよんって、もしかしてのことかな?
メニューにはフォーって書いてあるんだけどな。(笑)



でも、当店にはスペシャルフォーという名前のピザはありません・・・。

似たような名前で、和風プレミアムフォーというピザなら期間限定メニューにあります。



もう一度お客様に聞いてみます。

ピザ屋@ume
「ゴールデンコーンと、もう一枚は何にいたしますか?」
年配のお客様
「えっと、スペシャルよんっていう4種類の味がするピザをいただけますか?」

んー、やっぱりスペシャルよんって言ってるなー。
でも、当店にはそんな名前のピザ無いんだよな・・・。

もしかしたら、以前に季節限定メニューとかキャンペーンメニューであったのかな?お客様の見てるメニューが古いのかな?なんて思い、お客様に確認して見ます。

ピザ屋@ume
「大変申し訳ございません、スペシャルよんという商品は、お取り扱いしていないのですが・・・、少しご確認させていただきたいのですが、いまご覧になっているお手元のメニューは、いつ頃 配布されたものかわかりますでしょうか?」

と案内し、メニューの端っこに書いてあるメニューの作成時期を確認してもらいました。

うちのピザ屋では、季節限定メニューやキャンペーンメニューなどが頻繁に変わるため、全てのメニューやチラシには、作成日や有効期限が隅の方に「2014.02」のように記載してあるのです。


お客様に確認してもらったところ、どこにもそんな記載はないとおっしゃいます。



うーむ。(。-_-。)

どういうことだろうか・・・。
とりあえず、電話を保留にさせていただき、自分なんかよりも長い間ピザ屋をやってる店長に聞いてみることにしました。

ピザ屋@ume
「店長、お客様がスペシャルよんっていうピザが欲しいと言ってるのですが、そんなピザないですよね?」
店長
「ない。・・・うちにはね。
ピザ屋@ume
「えっ?」
店長
「うちには無いけど、ピザーノ(ライバル店)には、スペシャルフォーみたいな名前のピザがあった気がするぞ。

まじか!!

ピザ屋@ume
「もしかして、ピザーノには、デリシャスコーンってピザもありますか?」
店長
「あー、あるある。やっぱりピザーノだな。」

がびーん!

どうやらこのお客様は、ライバル店のチラシを見ながら当店にご注文の電話をかけているようです。(笑)

お客様に、その旨をご説明します。さっき注文していただいたメニューはピザーノの商品です。と。



すると、お客様がご年配のためなのか、またしても話がかみ合いません。

年配のお客様
「あら、そうなの?じゃー、それでいいわよ。」
ピザ屋@ume
「えっ???」
年配のお客様
「その2枚でお願いするわ」
ピザ屋@ume
「えっ???」

どうやら、別のチェーン店に電話をしていることが理解できておらず、別の支店にでもかけているのだと思っているようです。


「うちはピザーヤで、お客様が見ているチラシはピザーノのメニューですよ」と説明してるのですが、お客様にはカタカナの店名がよくわかってないのか「うちはピザ屋たぬき支店で、見てるメニューはピザ屋うさぎ支店」のように、同じ系列店舗の別支店だと思ってるようです・・・。



どうもご理解いただけないようなので、別の例えでご説明してみました。


「そうじゃなくて、例えばスーパーで言うと、当店はイトーヨーカドーで、お客様が見ているチラシはイオンのメニューなんです。」というと、ようやく理解していただけたようで、話がかみ合いました。(笑)

お客様が勘違いに気がついて、ごめんなさいごめんなさいと謝っていましたが、なんだか残念そうなトーンになっていきます・・・。



せっかく名前や住所も聞いているし(しかも当店のエリア内)、ここまで長い間お電話してくれているので、こちらから提案してみました。

ピザ屋@ume
「もしよろしければ、いまお客様が注文しようとしているピザは、当店でも似たような商品がございますので、そちらをご用意してお届けいたしましょうか?」

すると、このご年配のお客様は大喜びで提案を受け入れてくれて、ご注文してくださいました。

一件落着です。



それにしても、なぜ他店のチラシでうちに電話ができたのだろうか?
当然他店のチラシには他店の電話番号が書いてあって、うちの電話番号は書いてないはずなのに・・・。
謎です。

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